もくじ
1. はじめに
皆さん、こんにちは。特定社会保険労務士の山根敦夫です。
本日は、2025年1月から始まる雇用保険の離職票に関する新しいサービスについてご説明させていただきます。
このたび厚生労働省から発表された新サービスは、マイナポータルを活用した画期的な仕組みとなっており、企業の事務処理の効率化に大きく貢献することが期待されています。特に、離職票の発行や郵送に関する業務の負担が大幅に軽減されることから、人事労務担当者の皆様にとって朗報となるでしょう。
2. 離職票電子化の概要と期待される効果
現在、雇用保険の離職手続きでは、事業主が作成した離職票をハローワークで手続きした後、離職者へ郵送等で交付する必要があります。この方法では、郵送コストや事務作業の負担が大きく、また書類の紛失リスクも存在していました。
新サービスでは、電子申請による手続き完了後、離職票等の書類が離職者のマイナポータルに直接送信される仕組みとなります。これにより、企業側の郵送業務が不要となり、コスト削減と業務効率化が実現できます。また、デジタルデータとして保管されることで、書類の紛失リスクも大幅に低減されます。
3. 新サービスの導入スケジュール
新サービスは2025年1月20日から開始されます。ただし、このサービスは離職者の希望制となっており、一定の条件を満たす必要があります。そのため、当面は従来の紙での交付と電子的な交付が並行して運用されることになります。
4. 新サービス利用のための重要な条件
新サービスを利用するためには、以下の三つの条件を全て満たす必要があります。
第一に、従業員のマイナンバーが被保険者番号と適切に紐付いていることが必要です。この点については、特に注意が必要で、マイナンバーの登録状況によっては追加の手続きが必要となる場合があります。
第二に、離職者本人がマイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定を完了している必要があります。この設定は離職者本人が行う必要がありますが、企業側としても適切なサポートを提供することが望ましいでしょう。
第三に、事業主が電子申請で雇用保険の離職手続きを行うことです。この点については、企業側で確実に対応する必要があります。
5. 新サービスにおける具体的な手続きの流れ
新サービスでは、まず事業主がe-Govを通じて電子申請を行います。申請の際は、離職者が離職票の交付を希望するかどうかを確認し、適切な様式を選択する必要があります。
電子申請後は、ハローワークでの審査を経て、審査完了後に自動的に離職票等の書類が離職者のマイナポータルへ送信されます。この際、事業主には離職証明書(事業主控え)のみが送付され、離職票は送付されません。
なお、離職手続きの提出期限は、これまでと同様、離職日の翌々日から10日以内となっています。この期限は新サービスになっても変更ありません。
6. 企業側で必要な準備と対応
新サービスへの移行に向けて、企業側では以下のような準備が必要となります。
まず、e-Gov電子申請の利用環境の整備が必要です。電子証明書の取得や更新、必要なソフトウェアのインストールなどを計画的に進めていく必要があります。
また、従業員に対する周知と支援も重要です。マイナンバーカードの取得促進や、マイナポータルの利用方法の案内、雇用保険WEBサービスとの連携設定のサポートなど、きめ細かな対応が求められます。
特に、マイナンバーの登録には時間がかかる場合があるため、資格喪失届提出の2週間程度前までには必要な手続きを済ませておくことをお勧めします。
7. 移行期における留意点
新サービス開始後も、全ての離職者がマイナポータルを利用できるわけではありません。当面は従来の紙での交付と電子的な交付の両方に対応する必要があります。
また、マイナポータルに離職票が送付された場合、離職票に記載されている離職区分コードは個人情報に該当するため、事業所には通知されないことにも注意が必要です。
8. まとめ
2025年1月からスタートする離職票の電子化は、企業の事務負担軽減とコスト削減に大きく貢献する改革といえます。ただし、スムーズな移行のためには、事前の準備と従業員への丁寧な説明が重要です。
特に、マイナンバーの登録状況の確認や、電子申請環境の整備などは、時間がかかる可能性もありますので、早めの対応をお勧めします。
当事務所では、新サービスへの移行に関するご相談を承っております。ご不明な点やお困りのことがございましたら、お気軽にご連絡ください。今後も、最新の情報を随時ご提供させていただきます。
なお、本記事の情報は2024年12月時点のものです。実際の申請手続きの際は、最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

















